未来の記憶
先日、東京オペラシティアートギャラリーとTOTOギャラリーで開催されている建築家・田根剛さんの展覧会「未来の記憶」に行ってきた。(TOTOギャラリーはまだ行けていないので後日)
第一印象は「さすがだな」の一言。
映像や写真、模型による田根さんの建築理論、オリジナリティ論のようなものを感じとることができた。
僕はまだ建築を勉強し始めたばかりだが、評判通り吸収できたものはいくつかある。この中で僕が最も記憶に残ったことを、今回は執筆しようと思う。
それは、「オリジナリティとは何か」という、僕が建築を始めて常に疑問に思う点についてだ。
田根さんは、設計する上で(あくまで主観)その土地の歴史や文化、環境をとても大事にされている。これは、様々な建築家も考えていることではあるが、田根さんはそれが顕著に表れていると感じた。そしてそれをうまく「未来の記憶」として設計されている。
前の記事に、僕が建築を始めたきっかけが「ガウディのサグラダファミリアだ」ということを述べたが、ガウディの名言に次のような言葉が残されている。
「オリジナリティとはオリジンに戻ること。」
「人間は創造しない。自然の中から発見するだけだ。」
僕は、この言葉と似たような意味を、田根さんの展覧会で感じとることごできた。
僕はまだ建築設計、特に意匠設計を勉強し始めたど素人ではあるが、オリジナリティを探る良いきっかけとなった。
もちろん、住宅であれば家族の動線や内部と外部の繋がりなど、考えなければならない要素はたくさんある。しかし、設計者として、オリジナリティの追及は非常に重要な要素であると思う。土地の環境の秩序に従うことも大事だが、それだけではオリジナリティは生まれない。今後設計課題を取り組むうえで、土地の環境だけではなく、歴史や文化などの研究により力を入れ、自分なりのオリジナリティを探っていこうと思う。
さらに建築を好きになった。